昇格論文の中で、ある種の鬼門となる上司の添削。
お客様とお話をしていて、お客様の論文の添削をする上司の、規則性のようなものが見えてきました。
・思い付きだけで言ってるのでは?
お客様が書いた論文を上司に見せると、「ここはこうしたほうがいい」「あそこはああしたほうがいい」など、フィードバックをいただけます。
ありがたいことではあるのですが、残念なのは、見せるたびに言うことが変わるところです。
「この内容をもっと掘り下げて、具体的に書きましょう」
と言っていたのが、次に見せると、
「この内容だけだと今の当社を表していないので、ほかの題材も盛り込んだほうがいい」
と言います。
「~すべきだ。という願望ではなく、実際に実現できることを書きましょう」
と言っていたのが、次に見せると、
「これだと新規性がないので、どうあるべきかを書きましょう」
と言います。
つまり、はじめに見せた時とまったく違うことを言います。
これは、「いじわる」ではなく、おそらく、上司はさらっと論文を見て、深く考えずに意見を言っているからだと思います。毎回、その場でパッと読んで思ったことを言うため、一貫性がないんですね。
・担当業務を知らない上司
それからもう一つ、担当外の部長さんや役員さんが添削するケース。
たとえば、収益部門を経験したことのない女性活躍推進部長(最近、この種のポジション多そうですね)が、営業部門のお客様の論文を見ながら意見を言うわけです。
お客様からすると、「的外れで明らかに知らないまま言っている気がする」とのことでした。
この部長さんとしても、知らない領域だけど、部長という立場上、それっぽく知った風な顔をして言わなきゃいけないので、知らないまま言うと、本職である営業職の方からすればハテナマークがついてしまいます。
ちなみにこの部長さん、「もっと生産性を上げる施策を」と言っていたのですが、生産性が何か、どのように算出するのかを理解していませんでした。(正しくはもちろん労働生産性ですので、売り上げと人件費が関係します)
・書き直しをさせるのが通過儀礼?
それと少し異なる見方ですが、もしかしたら会社によっては、書き直しをさせるのが通過儀礼になっているのかなと感じます。
いかにもよくない意味での日本的な企業の考え方ではありますが、昇進するためには超えなきゃならない壁なんでしょうね。
とこういうお話を海外支社の会計部門の責任者(課長級)のお客様と話していたら、面白いことをおっしゃっていました。
「それをすること自体が生産性を下げているのでは?仕事をしたほうがいいと思います」
言い得て妙です笑
たしかに、しっかりした論文を書くことと仕事で成果を出すこととは全然別の能力ですしね。
・かと言って、意見をスルーできないし
とは言え、上司が言うことをスルーしますと昇格試験に落ちちゃいますので、おかしいなあと思いながらも意見は反映させなければなりません。
(スルーして合格したら、それはそれで面白いですが)
これは組織にいる以上は、ルールのようなものですので、きちっと向き合ったほうが良いところではあります。